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部位別リフォーム

更新2023.02.14

フルリフォームで叶える地下室の有効活用とは?

家に地下室がある人のなかには、上手く活用できていないという人もいるのではないでしょうか。地下室を上手く使えず物置になってしまっている人や、湿気でカビがひどくなってしまっているという悩みを持っている方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、地下室のフルリフォームやカビ・湿気・浸水対策と、有効な地下室の活用法について解説していきます。

地下室のメリットを理解して最適な用途を考えよう

地下室のトレーニングルーム
地下室は、同じ家の他の部屋と比べても様々なメリットがあります。地下室の特性を活かした使い方を行えばより有意義に使用できます。
こちらでは、4つのメリットについて具体的に紹介していきます。

 

温度が安定している

日本では四季があり、地域にもよりますが、夏と冬では30度~40度程度の温度差が生じます。近年、夏の気温は年々高くなり、真夏には40度を記録する地域もあり年々気温が上昇しています。一方で冬には1桁、もしくはマイナスまで気温が下がります。地下室はこういった外気の影響を受けにくく室温が安定しているのが特徴です。ワインが趣味の方はワインセラーを作るのもよいですし、野菜などの貯蔵庫にも適しています。美術品のコレクションがある場合などは湿気対策を行うことで、室温や湿度を一定に保つことができます。温度に影響されない空間が欲しいと考えている人には、地下室は最適の空間といえるでしょう。

 

遮音性が高い

地下室のメリットとして遮音性が高いという点があります。 例えば、お子様のピアノの練習する音が近隣トラブルの原因になることもあります。音楽や楽器を自宅で演奏する際は、近所に配慮しながら肩身の狭い思いをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?その他にも映画鑑賞を音質にこだわって見たい場合や、カラオケが趣味の方、ホームパーティーをよく開かれる場合などは、話し声は案外周囲に漏れがちですし、パーティーが盛り上がれば声のトーンも大きくなります。
このような場合、遮音性の高い地下室の利用がおすすめです。通常の部屋と違って周りが土に囲まれているので、ほとんどの音が土に吸収されるため外部への音漏れの心配がありません。ピアノやギターなどの楽器が趣味の方はもちろんのこと、音楽や映画を最高の音で楽しむことができるのも地下室のメリットのうちのひとつです。
また、地下室は周囲の音をカットしたい場合にも適しています。大きな幹線道路沿いのお宅や学校が近所にある場合など、外の音が気になる場合も地下室はおすすめです。静かなスペースで集中したい場合、地下室に書斎やワークスペースを作ることで、快適な環境を作り上げることができるでしょう。

 

振動や足音を気にしなくてもよい

地下室は振動や足音を気にせず過ごせます。地下室の下には何もないので、どれだけ子どもが走り回っても他の部屋には足音の影響がありません。また、地下室の周囲は土で囲まれているため、振動が上階にも伝わり難い特長があります。在宅で仕事をしている方は子どものプレイルームを地下に作るのもよいでしょう。また、ランニングマシーンや筋トレ器具も振動が伝わりやすいため、トレーニングルームは地下室がおすすめです。地下室ならいつでも家族に気兼ねすることなく運動できます。ジムに行く時間がないが身体は動かしたい!そんな方は地下室にホームジムを計画してみてはいかがでしょうか。

 

地震に強く耐震性能が向上する

建物は地表より高くなるほど地震の影響を受けやすく、地下に深くなるほど影響を受けにくいと言われ、地下室が受ける地震の影響は地上部分のわずか半分から3分の1程度と考えられています。地震が起きると地面が揺れ、マンションなどの地表より高い建物であればあるほど、揺れが大きくなってしまいますが、地下室の場合はまわりの地面や土と同じように揺れるため、かえって揺れを感じにくいのです。また、鉄筋コンクリート製の地下室は、地下室全体が深く丈夫な基礎のような役割を果たすので、地下部分だけではなく建物全体が安定します
各地の震災でも地下室付きの住宅は損傷が少なく、多くの建物が無傷であったという報告もあり、その耐震性能が注目されています。いつ、どこで地震が起こってもおかしくない地震大国・日本の住宅として、かなり大きなメリットになると思います。なので、地下室を災害時のシェルターや金庫の保管場所として活用するのも良いでしょう。地震などの災害時に安心して自宅で過ごす「在宅避難」の場所としても地下室は適していると思います。
ただし、台風や豪雨など水害の避難場所には適しませんので、注意が必要です。

 

規制緩和で居室利用もO Kに

従来の法律では地下室は居室利用としての目的は認められていませんでした。 しかし、2000年6月に建築基準法が改正されたことで、一定の条件を満たしていれば、居間や寝室や台所などの居室として地下室を利用できるようになりました。改正された建築基準法では、「開口率・換気設備・除湿設備・防水対策など一定の条件を満たせば」とあります。この「一定の条件」とは、具体的には以下の「衛生上必要な措置」を指し、これを満たしていれば地下室を居室利用することができるのです。ただし、この条件には他にも細かな規定があるので、まずは確認することが重要です。

 

・上部が外気に開放されていること、もしくは空堀(ドライエリア)などの開口部がある(開口率)
・室内の温度・湿度調整・換気の設備がある(換気・除湿設備)
・防水措置が講じられていること(防水対策)

 

※参考
地下室 HYPERLINK  | 法律|住まいづくりの基礎知識 | すむすむ | Panasonic
地下室を設ける場合の注意点 大田区

 

より快適な地下室へ。デメリットをリフォームで解決

地下室のデメリット地下室のデメリットとしてあがるのが、「暗い」「カビ」「湿気」「浸水」などです。確かにしっかりとした計画や対策を行っていない建物にはこの様な問題は地下室にはつきものです。しかし、適切なフルリフォームを施せば、そうしたトラブルは全て解決することができるのはご存知でしょうか。
ここからは、地下室特有の問題をどのようにフルリフォームで解決できるかを紹介していきます。

 

地下室を明るい印象に

地下室が暗くて閉塞感を感じる人は、リフォームでトップライト(天窓)を設けるのがおすすめです。地下室の天井の一部にトップライト(天窓)を設けることで上階の光を地下に落とします。上から光を取り込むため、壁側の窓より採光効果が大きいのが特徴です。建築基準法では、壁面の窓に比べてトップライトは約3倍の採光効果があると規定されているほど、明かり取りの効果が高いため、暗さが気になる地下室の悩みを解消できます。もちろん照明を増やせば暗さは解消できますが、自然光が室内に届くことで、地下室特有の閉塞感を払拭する効果も得られます。
また、大胆なリフォーム例として、地下室と地上階をつなげて吹き抜けにするという選択肢もあります。閉塞感や暗さを一新したい!開放感のある空間を希望する方は、検討してみてもよいかもしれません。

 

地下室の湿気やカビ対策

地下室では湿気によるジメジメ感やカビの発生というトラブルもよく見受けられます。カビなどが発生する原因の中でよくあるのが、結露によるものです。地下室は鉄筋コンクリートで作られており、外の気温よりも室温が低い場合が多く、この外気温と地下室の室内温度の差が結露を発生させます。
また、地下室はほとんどが地中に埋まっているため、換気をする窓がなく地面からの湿気が室内に篭りやすく、空気の流れが起こり難い状態ため、いつの間にかカビが生えてしまっているという事態になりがちです。結露が原因で湿気やカビの問題が起こっているのであれば、フルリフォームで断熱を見直すことをおすすめします。断熱対策後、除湿機の自動運転などで湿度を55%以下に保ち、換気扇などで空気の循環をよくすると湿度やカビの問題は解消できるはずです。しかし、断熱対策を行わず、除湿器や換気で空気の流れをつくってもあまり意味がなく、問題の解消にはなりませんので注意してください。

 

地下室の浸水を防ぐには

近年の台風や局地的なゲリラ豪雨による地下室への浸水を心配される方も多いと思います。水害対策としてはドライエリアや水が浸水してきそうな入り口の高さをあげるリフォームや止水板や排水ポンプの設置などがあります。地域や建物の立地によって必要な対策は異なるため、リフォーム会社とよく相談しましょう。近年では想定を超える雨量を計測するケースが増えていますので、基準を高めに設定しておくことが大切です。
また、忘れてはならないのが災害などの対策として「自助努力」を日頃から心がけておくことです。たとえば、「雨水枡」などがある場合は遮蔽物を置かず、日頃から掃除しておくことが災害時に自分の命や財産を守ることにつながります。
当社でも、集中豪雨で浸水してしまったお宅のリフォームの経験がございます。そのお宅の水害対策として、車路の勾配を逆勾配としたり、ガレージの一部に立上り付きの倉庫を増設したり、地下居室への水の浸入防止を第一に考えたリノベーションを行いました。

浸水対策を行ったリフォーム事例

 

実用性の高い地下室の活用方法9選

デメリットである湿気やカビ、浸水、薄暗さをリフォームによって解決することで、地下室は実用性の高いスペースに生まれ変わります。せっかく地下室があるのにあまり活用できていないのはもったいない!より快適な暮らしを手に入れましょう。
おすすめの活用方法を9つご紹介します。

1. 気兼ねなく演奏や歌唱ができる音楽スタジオとして

地下の音楽スタジオ音漏れがしにくい地下室は、防音対策を施すことで音楽スタジオとしても活躍します。ピアノやギター、ドラムなど、様々な楽器を音漏れを気にすることなく演奏できます。バンドを組んでいる人はもちろん、子供のピアノの練習場所にもピッタリです。通信カラオケ機種やスピーカー・マイク・アンプなどを設置して、カラオケールームとして活用することも可能です。家族や友人とカラオケパーティーを開くのもいいですが、自宅の地下室でなら、気が向いた時に1人カラオケも気軽に楽しめます。

2. 大画面と大音量で映画が楽しめるシアタールームとして

地下室のシアタールーム地下室にプロジェクタースクリーンと音響設備を施せば、自分だけのシアタールームが完成します。大画面のスクリーン&大音量で、まるで映画館にいるような迫力で好きな映画を楽しむことができます。映画だけでなく、サッカーや野球など、スポーツのライブ中継を家族や友人と一緒にワイワイ観戦するのもいいですね。多少騒いでも、近所に声が漏れることもありません。
地下室は音がよく響くので、音楽鑑賞の場としても最適です。お気に入りの映画や音楽に浸りながら、充実した時間を過ごしましょう。
当社にも地下室をシアタールームにリフォームした事例があるので参考にしてください。
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3. 災害時の避難場所や食品貯蔵庫として

地下室の食品庫地下室は地上階より地震に強いとされています。それは、地下室は地盤と共に構造物も振動するため地震による影響が少なく、地下室は地盤に囲われているため地震の際に周りの地盤に逃げ出すエネルギーが大きいと考えられています。そのため、震災が起きた際に避難する場所としても地下室は有効です。地下室に家族が数日間過ごせる水や食料品、日用品などをストックしておきましょう。地下室は室温が一定に保たれやすいため、食品の貯蔵庫にも適した空間です。日常は食料品の貯蔵庫として、有事の際は避難場所として過ごせる準備をしておくと安心です。

4. 子供が自由に走り回れるプレイルームとして

走り回る子供子供の走り回る振動やはしゃぎ声は、想像以上に周囲に響くものです。とくに都市部の場合は隣家との距離が近いため、一戸建てであっても部屋の中で子供を自由に遊ばせることは難しいのが現状ではないでしょうか。
地下室は音が漏れにくく、振動も伝わりにくいため、子供が思う存分遊べるプレイルームとして活躍します。あまり物を置かず、広々としたスペースを確保しておきましょう。子供がダンスやバレエを習っているのなら、バーや鏡を取り付けて練習場にすることも可能です。

5. 静かに集中できる書斎・勉強部屋として

地下室の書斎遮音性と吸音性に優れた地下室は、静かに過ごせる場所として、書斎や勉強部屋にも最適です。他の家族の話し声や物音などは一切聞こえないため、集中して読書や勉強に励めるでしょう。ネット環境を整えて、テレワークのスペースとして利用するのもおすすめです。静かな空間で、落ち着いて仕事に集中できます。

6. ワイン好きの憧れ・ワインセラーとして

地下室のワインセラー空調設備が整った地下室であれば、ワインセラーとして活用することも可能です。バーカウンターやゆったりとくつろげるソファ、テーブルを設置すれば、1人でゆっくりとワインを楽しめる、理想のリラックススペースを手に入れることができます。また、ワインセラーの隣にBarカウンターを設置した、ホームBarとして楽しむのもおすすめです。知人や友人に自慢のワインを振る舞うのもよいでしょう。地下室は、自動排水システム、除湿器、熱交換器の設置といった湿気対策を行うことで、一年中一定の温度、湿度を保つことができます。直射日光に当たることもないため、最適な空間です。

7. クリエイティブな活動に没頭できるアトリエとして

地下室のアトリエ絵画や彫刻、粘土など、クリエイティブな趣味を持っている人の悩みの種といえば、集中できる創作スペースと、作品の保管・展示スペースです。地下室をアトリエとして利用すれば、静かな空間で創作活動に集中できます。また、作成中の作品だけでなく、過去の作品をディスプレイして展示しておくことも可能です。道具をいちいち片付けなくて済むため、地下室に入ればすぐに創作活動を再開できるのもメリットです。除湿をしっかり行えば、写真を現像する暗室として利用することも可能です。

8. 仲間を呼んで賑やかに過ごせるパーティールームとして

地下室のパーティールーム親戚や友人、仕事仲間を呼んで頻繁にホームパーティをする家庭なら、地下室にパーティールームに利用しましょう。バーカウンターやビリヤード台、ダーツ台などを設置して、大人のプレイルームとして併用するのもおすすめです。閑静な住宅街にある家では、ちょっとした笑い声なども周囲に響いてしまいます。地下室のパーティールームなら、プライバシーを確保しながらも、賑やかで楽しいひとときを過ごすことができるでしょう。

9. 有益を得る賃貸物件として

地下室の賃貸物件お子様が独立されるなど家族構成が変わり、地下室を持て余しているのであれば、条件次第では賃貸物件にリフォームを行うことも可能です。単身世帯の賃貸やオフィスなどにリフォームしても、地下室の特徴である遮音性の高さや振動の伝わりにくさがあるため、賃貸併用物件にリフォームを行っても騒音や振動に悩まされるリスクは低いと言えます。当社でも地下室を賃貸物件にリフォームした事例があるので、参考にしてください。
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地下室はリフォームで作れる?

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現在、自宅に地下室はないものの、リフォームで増設したいと考えている人もいらっしゃると思います。ここで気になるのは、地下室を後から増築することができるかです。
ここからはフルリフォームで地下室を作ることができるかについて詳しく説明していきます。

 

すでに建っている建物に新たに地下室を作るのは困難

地下室を作るには、土地を掘り抜いて部屋を作ることになります。ですから、かなり大規模な工事となり、すでに一軒家が立っている場合、後から地下室部分を掘ることは難しいです。新たな地下室となれば、既存建物の基礎部分にも大きく影響してきますので、かなり難易度の高いリフォームと言えます。一部の建築会社やリフォーム会社では、補強をしながら施工を行うことによって、すでに建物がある状態から地下室を作るという工法を導入しているところもありますが、これも様々な条件があり困難です。そのため、新たな地下室をリフォームで計画するのは現実的ではありません。
既存の家に思い入れがあり、どうしてもリフォームで地下室をつくりたい方や建替えてしまうと既存の建物より小さな家しか建設できなくなってしまう土地にお住まいの方で、どうしても地下室が必要な場合は、地下室の経験値があるリフォーム会社に相談してみましょう。当社では、高低差のあるお宅の地下部分にリフォームで車庫をつくった事例があります。

地下に車庫を設けたリフォーム事例

 

庭などの空いた土地になら作りやすい

地下のない既存の建物に新たにリフォームで地下室を作りたい場合、建物が建っていない場所、例えば庭に地下室を作るということは、比較的可能です。ただ、この場合家と地下室が繋がっていないので、地下室を利用したい場合、わざわざ外に出る必要があるなどのデメリットがあるうえ、地下室を作る場合は広大なスペースが必要とされるので、広い庭があることが大前提となります。
しかし、見方を変えれば、広い庭さえあれば、自宅から独立したプライベート空間を手に入れることができるともいえます。仕事部屋として、地震などの災害時にシェルターとして計画したい際は、リフォーム会社に相談してみてもよいでしょう。

 

地下室を作る場合の費用は?

地下室を既存の住宅に増設する場合、地下の建設に耐えうる地盤であるかどうかを調査する必要や、地中を掘って土砂を処理する分のコストがかかります。地盤の状況や地下に通る配管により工事費用が変わってくるため、特に決まった費用相場というものはありません。一方で庭などの広い土地に地下室を作る場合は、10畳程度の広さで約600万円~。こちらも敷地や地盤の条件によって異なります。

 

【まとめ】地下室のメリットを活かした有効活用を!

自宅にある地下室を物置にしか使用していないなら、ぜひ地下室ならではのメリットを活かした部屋にリフォームを行いましょう。そうすることで、地下室の利用が格段に増え、地下室を有効活用することができます。また、現在地下室ならではの「暗さ」や「湿気」などの問題を抱えているのであれば、リフォームで解消することができます。
地下室を使っていないが、音楽や運動などの趣味も特にないという場合は、在宅避難場所として地下室を有効活用することをおすすめします。折角自宅に地下室があるならリフォームで有効活用しましょう