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スケルトンリフォーム

更新2023.02.14

「スケルトンリフォーム」とはどんなリフォーム?

近年、中古住宅をリフォーム・リノベーションするご家庭が増えていますが、特に注目されているのがスケルトンリフォームです。特に、中古住宅を新たに購入する方からの需要が高く、理想の住まいを比較的に安価で実現できるひとつの方法として人気を集めています。
そこで今回は、最近のトレンドであるスケルトンリフォームの基礎知識や費用相場、メリット・デメリットなど気になる情報をわかりやすくまとめました。

スケルトンリフォームとは家の骨格だけを残す大規模リフォーム

スケルトンリフォームとは、住宅の骨格のみを残して行う大規模リフォームの事です。
スケルトンは英語で「骨格」という意味で、名前の通り、住宅の内装や設備などを全て解体・撤去してからリフォームを行うところが特徴です。スケルトンリフォームされた住宅は外観や内装ががらりと変わるため、内装や外装、設備の一部のみ改装する部分リノベーションに対し、フルリフォームとも呼ばれています。

スケルトンリフォームは近年人気のリノベーションの一種

かつて日本ではスクラップアンドビルドと言うイメージが定着していましたが、近年はリフォーム技術の進歩により、欧米のように中古住宅を購入して新築同様に自分好みの間取り・内装に変更するリノベーションを行う方が増えてきました。
リノベーションとは「刷新」と言う意味で、住む人の要望やニーズに合わせて住宅に新たな機能や価値を付加する事を目的としたものです。リノベーションの規模や仕様は多岐に亘りますが、住人のライフスタイルや世帯人数などに合わせて大規模な改修を行うスケルトンリフォームもその中の一つに数えられています。

構造で違う?!スケルトンリフォームでできること

どんな構造で現在の家が建っているかによって、スケルトンリフォームの工事内容や手順は大きく変わってきます。まずは構造別の違いを知っておきましょう。

木造住宅の場合

木造の躯体日本で古くから採用されてきたのが木造住宅です。築年数が経過した木造住宅は、躯体の木材が腐食していたり、シロアリ被害に遭っていることが多くあります。また、木材を繋いでいる接合金物がサビなどによる劣化で脆くなっていることも多いです。このように躯体が傷んで耐久性や安全性に問題があるのに、表面の内装だけをキレイにリフォームしても意味がありません。 スケルトンリフォームは場合躯体の補強もできるのがその魅力のひとつです。特に1981年に建築基準法が改定される前に建てられた木造住宅のリフォームを検討しているのであれば、躯体の補強もしっかりと行い、現在の耐震基準に合わせた住宅にすることをお勧めします。

鉄骨住宅の場合

重量鉄骨造の躯体鉄骨住宅とは木造住宅の次に日本で普及するようになった家の造りで、梁や柱などの骨組みに木材を使った住宅のことです。鉄骨造には重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類あり、材質は同じ鉄骨でもスケルトンリフォームのし易さは大きく異なります。 スケルトンリフォームが行いやすいのは重量鉄骨造です。骨格材の厚さが4mm以上の鉄骨を使用した建物を重量鉄骨といい、強度の高い梁と柱で構成さてれているため、柱と梁さえ残っていれば、壁を取ったり、床を抜いたりという大胆なリフォームが可能な構造体です。そのため、重量鉄骨造はスケルトンリフォームの自由度が高い構造体と言えます。一方4mm以下の骨格材の厚さを使用した建物を軽量鉄骨造といい、ハウスメーカーが多く取り入れている構造体です。軽量鉄骨造はハウスメーカーごとに工法が異なるためスケルトンリフォームの難易度は高く、ブレース(筋違い)と呼ばれる建材を使っている壁は、家の強度が落ちてしまうので取り除くことができず、制約が出る場合があります。 このように、同じ鉄骨造でも重量鉄骨造か軽量鉄骨造かで異なりますので、所有している、または購入を検討している建物が重量鉄骨造か軽量鉄骨造を確認しておきましょう。 強度が高いと言われている鉄骨も鉄骨自体が錆びなどにより劣化している場合は、その強度は落ちてしまいます。錆が発生していた場合は、錆の除去や錆止め補修、躯体の補強など対策が必要になりますので注意が必要です。

鉄筋コンクリートの場合

鉄筋コンクリート造の躯体複数ある構造体の中で一番法定耐用年数が長いのが47年の鉄筋コンクリート造で、次いで重量鉄骨造の34年。骨格材が3~4m厚の軽量鉄骨造は27年。木造が22年。骨格材が3m以下の軽量鉄骨造は19年です。もちろん法定耐用年数=建物の寿命ではありませんが、耐久年数の目安にはなると思います。きちんとしたメンテナンスを行っていれば、100年もつと言われている鉄筋コンクリート造は、リフォームに適している構造体です。耐久年数が長い鉄筋コンクリートの住宅を30年や40年で建て替えてしまうのは非常にもったいないと言えるのです。ただ、注意しなければならないのが、鉄筋コンクリート造も鉄骨造同様に2種類あり、ラーメン構造という梁と柱で構成された構造と壁式構造と言う柱と梁の代わりに耐力壁で建物の荷重を支える構造の2種類あります。 鉄骨造のように法定耐用年数に違いはありませんが、リフォームの自由度は異なります。壁式構造は室内に柱や梁が出っ張ることなくスッキリとした室内空間が可能ですが、耐震壁は撤去できないため、大胆な間取り変更などは行えない場合があります

スケルトンリフォームに適さない物件がある?

躯体のみにするスケルトンリフォームは新築同様の仕上がりが期待でき、新築よりもコストを抑えられるなどメリットが多いですが、物件の状態や臨む希望によっては行わない方がいい場合もあります。

躯体の老朽化が著しい物件

劣化している躯体築年数がかなり経っている建物でも躯体のみを残すスケルトンリフォームの場合、あまり関係がありませんが、その躯体の老朽化が著しい物件はスケルトンリフォームをすることが難しいケースがあります。躯体の補強や修繕により建て替えと変わらない場合や建て替えよりもコストがかかってしまう場合、メリットがあるとは言えません。土地の事情で建て替えができないなどのケース以外はスケルトンリフォームではなく、新築することをお勧めします。ただ、躯体の状況は、壊してみないと分からない場合もあります。事前に躯体の状況を確認するために家の壁の一部を壊して確認しますが、たまたま壊した壁の部分は雨漏れによる劣化は起きていませんでしたが、実際に解体してみたら、躯体の半分以上が雨漏れにより劣化していたなども起こりえます。また、非破壊検査なども行えますが、建物すべてで行うと費用も高額になり、あまり現実的ではありません。 古い物件の場合はもしもの際に備えて、リフォームも新築も行える会社に依頼をした方が安心です。

大胆な間取り変更ができない構造の物件

図面を見ながら間取りを検討する夫婦スケルトンリフォームの魅力として上がるのが大胆な間取り変更が可能な点ではないでしょうか?間取りを自由に変えられると思ってスケルトンリフォームを計画しているなら、構造に注意が必要です。先述したように構造体によっては間取り変更が難しい構造体があります。軽量鉄骨造と鉄筋コンクリート造の壁式構造です。スケルトンリフォームの目的が大胆な間取り変更の場合行えない可能性が高いです。もちろん、間取り変更が全く行えないという訳ではありませんので、行いたい間取りが可能かどうかを事前に確認しておきましょう。この他にも、ツーバイフォー工法や木質パネル工法は、床・壁・天井の六面が一体化して建物を支える工法のため、間取り変更が行えないと思われがちですが、上下階の関係性やツーバイフォー工法のルールを理解していれば、間取り変更も可能です。大胆な間取り変更を前提としてスケルトンリフォームを検討している場合は、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造のラーメン構造が適しています。もちろん、構造計算などを行う必要があるため、信頼できるリフォーム会社に依頼することが前提となります。

マンションのスケルトンリフォームは管理規約に注意

マンションの管理規約多くのマンションでスケルトンリフォームは行えますが、リフォームの内容に関しては、それぞれの管理規約によってことなります。スケルトン状態でのリフォームはマンションの玄関ドアを開けた内部はまるで新築マンションのような変貌が期待できます。また、マンションの多くは鉄筋コンクリート造のラーメン構造のため、構造的には間取り変更も可能です。ただ、低層マンションなどに壁式構造で建てられているマンションもありますので、その場合スケルトン状態にしても構造壁は撤去できないため制約がでますマンションの場合、技術的には可能でもマンションの管理規約上NGということがあります。スケルトンリフォームを前提で中古マンションの購入を検討している場合は、必ず希望するリフォームが行えるのか確認しておきましょう。

スケルトンリフォームを依頼する業者選びの2つのポイント

リフォーム会社はたくさんありますが、全ての業者でスケルトンリフォームが行える訳ではありません。またスケルトンリフォームに対応している業者でも避けた方がいい業者もあります。選ぶときは以下のポイントを意識しましょう。

1. 目的にあったタイプの業者を選ぶ

リフォーム業者のタイプは、大きく分けると地元の工務店・中堅リフォーム会社・大手リフォーム会社の3つがあります。 スケルトンリフォームの工事内容にもデザインにも強いこだわりがないのであれば、地元の工務店に依頼することで費用を大きく抑えることが可能です。ただ工務店の場合、品質や可能なリフォームにはばらつきがあります。まず相談の段階でどんな施工をしてきたのか、どれくらいのリフォームが可能なのかを確認するようにしましょう。工務店ではデザインを積極的に提案しないことも多いので、依頼する側がある程度イメージを固めておく必要もあります。 デザインにこだわりたい、業者からもリフォーム内容の提案をしてもらいたいという場合は、設計士やインテリアコーディネーターを抱えている中堅リフォーム会社を選ぶのがおすすめです。デザインや使い勝手などプロ目線のアドバイスをもらうことができるので、依頼する側が漠然としたイメージだとしても、一緒に完成イメージを作れます。このような中堅リフォーム会社なら品質も社内で統一されているので安心です。ただその分、地元の工務店より費用がかかることは覚えておきましょう。 信頼や安心、アフターフォローを重視される方は、全国展開しているような大手リフォーム会社を選びましょう。品質が社内で統一されているため安心です。特に新築時に建てたハウスメーカーと同じ系列のリフォーム会社ならハウスメーカー独自の工法を熟知しています。また、全国でリフォームを施工していますから、それだけ施工数も多く、リフォームの建材などは一括で発注して安く仕入れることができます。一方で、決められた建材や資材から組み合わせて提案するスタイルになりますので、デザインの自由度は高くありません。また、大手リフォーム会社は広告費に予算を割いていますので、建築のコストは抑えられても、広告費などの経費がかかるためリフォームの価格が割安という訳ではありません。

2. 複数の会社から提案を受ける

スケルトンリフォームをする際は、いくつかの業者を選んで提案を受けることをお勧めします。スケルトンリフォームは大規模リフォームのため、リフォーム会社のプランも大きく異なる場合があります。提案力の差もリフォーム会社の実力を見分ける指標になります。 その際、見積り提示もありますので、その内容に何が含まれているかをきちんと確認しましょう。安いと思ったリフォーム会社にお願いしたら、見積りに含まれていない工事が多く、高いと思っていたリフォーム会社の方が実は安かった!なども失敗例のひとつです。書かれている内容でわからないことがあれば、しっかり説明してもらいましょう。この際、専門用語を使って説明を曖昧にするような業者は避けた方が無難です。工事に際して追加費用が発生する可能性があるのかどうかも確認しておいてください。 また、他の業者と比べてあまりにも安い業者も一度疑った方が安心です。同じ物件を同じようにリフォームするのに、その業者だけ極端に安いなら、そこには何かしらの理由があることがほとんどです。理由をしっかり聞き、納得できなければその業者は避けた方がいいでしょう。

自分の好みの家に!スケルトンリフォームの4つのメリット

スケルトンリフォームは自分好みの家を建てたい方や、今の住まいをより快適にしたい方に適したリフォーム方法です。
その主なメリットを4つ紹介します。

1.ライフスタイルに合った家に仕上がる

住みづらいと感じるようになるきっかけの多くが、ライフスタイルの変更によるものです。お子様が小さいころに建てた住まいの場合、お子様の成長と共に個室が必要になったり、水回りの使い勝手が変わったりしますし、お子様が成人し巣立ってしまえば世帯人数も変わるため、なおのこと住みづらさを感じるのではないでしょうか。そのため、家族構成の変化などをきっかけに家をリフォームするケースは少なくありません。また、中古住宅を購入した際も他の家族のライフスタイルに合わせて作られた家が、自分や家族の暮らしとピッタリ合っているというケースはまれです。
スケルトンリフォームは、新築同様の仕上がりが期待できるリフォームのため、ライフスタイルの変化による根本的な不満にも柔軟に対応できるリフォームです。
下記では、ライフスタイルに合った家に仕上がる注目すべき3つのポイントを紹介します。

 

・間取りが自由に変えられる

家の間取りや仕様は住人のライフスタイルや世帯人数によって異なります。新たに中古住宅を購入した時や住人のライフスタイルに変化があった場合、住宅の仕様と住人のニーズにずれが生じる可能性があります。スケルトンリフォームを行えば、間取りや仕様を自由に変更できるので、自分の好みやライフスタイルにぴったり合った家に仕上げることができます。リビングや子供部屋、寝室だけでなく、部分リフォームでは難しいキッチンやトイレ、お風呂といった水回りの位置も変更できるところがメリットです。

・好みの内装が可能になる

家の雰囲気は内装で大きく変わります。スケルトンリフォームで全面的にリフォームを行う場合、内装やインテリアなど家中丸ごと、自分好みに仕上げることができるので、その変貌は他のリフォームとは大きく異なります。すべての空間を自分好みのインテリアに仕上げることができるリフォーム方法といえるでしょう。部分リフォームのよくある失敗例に「既存部分の古さが目立ってしまった」というケースがありますが、スケルトンリフォームは、間取りと合わせて内装もすべてリフォームするため、境目などができないリフォームです。

・好みの設備を取り入れられる

キッチンや浴室、洗面所、トイレといった水回りを一新できるので、最新の仕様を取り入れたり、自分や家族のニーズに合わせた設備機器を選んだりすることができます。特に、水回りはその家族によってライフスタイルが異なることが多く、水回りを快適にすることが理想の住まいの第一歩とも言えます。ただ、水回りの間取変更は配管や排水、キッチンならダクトなどの配慮が必要になるためスケルトンリフォームで行った方が自由度が高くなります。また、電気設備も一から計画を立てられるので、昨今ニーズが高いLAN設備やコンセントの位置なども間取りと共に自由に決めることができます。

 

2.家の機能性をアップできる

家の機能をタッチパネルで選ぶ男性スケルトンリフォームは家中解体できるところまでスケルトンにするため、既存の基礎や柱、梁の劣化が目視で確認できます。修繕すべきところがはっきりわかる点が大きなメリットといえるでしょう。住まいの課題を浮き彫りにし、より快適に過ごせるようにリフォームできるところが、部分リフォームとは違う大きな特徴です。
家の機能性をアップできる具体的な例を4つ紹介します。

 

・給排水管や電気配線を新しくできる

配管や配線は建物よりも寿命が短いため、老朽化が進むと、いずれは故障などの問題が起こってきます。古い住宅の配管は錆びや水漏れの恐れがありますし、古い配線は漏電のトラブルにもつながります。スケルトンリフォームで配管や配線をやり替えることで、長く安心して暮らせる住まいへと導きます。

・耐震性を高めることができる

スケルトンリフォームは躯体全体が露わになるため、状況を確認しながら適切な耐震補強が行えるため、計画的で最適な耐震補強が可能になります。とくに古い木造住宅は、現在の耐震基準を満たしていないケースが少なくありません。柱や梁の補修に加えて、筋交いの導入や耐震ダンバーの設置などによって耐震性を高めておいたほうが安心です。

・省エネ性能を向上できる

断熱材も、もちろん経年劣化をします。スケルトンリフォームは壁の内部にある断熱材のやり替えも可能です。断熱材は近年目覚ましい進化を遂げているので、省エネ効果が期待できます。そもそも、古い戸建てには断熱材が入っていない場合もあるので、その効果は絶大です。さらに窓を二重サッシにしたり、複層ガラスを導入したりすれば、より断熱効果が期待できます。また、空調を全館空調にしたいと計画している場合も、スケルトンリフォームは最適です。

・家のバリアフリー化ができる

段差や急な階段、滑りやすい床、廊下やお風呂などで起こる温度差(ヒートショック現象)、などは事故や健康面の障害となる危険性があります。これらの障害をなるべく取り除き、誰もが安全に過ごせ、ストレスの少ない住宅が求められます。これはシニア世代だけの問題ではありませんし、現在健康上に問題はなくても、長く住み続ける住まいなら将来を見越してバリアフリーを意識した全面的なリフォームで、備えておきましょう。

 

3.新築・建て替えよりも費用を抑えられる可能性が高い

スケルトンリフォームは外装や内装は撤去するものの、骨格だけは残してあるので、一から建物を建てる新築や建て替えに比べると費用を安く抑えられる場合が多いようです。特に建て替えの場合は別途解体費用もかかるため、解体費が高額なコンクリート住宅などは、スケルトンリフォームの方がコストを節約できる可能性が高いです。

 

4. 再建築不可の場所にある住宅を新築同様にすることができる

住宅の建築には、土地が2m以上道路に接していなければならない義務があります。既存の住宅がこの条件に当てはまらない場合、再建築することはできません。スケルトンリフォームは再建築に当てはまらないので、このような条件でも新築同様の暮らしを手に入れることが可能になります。これはスケルトンリフォームの大きなメリットです。

 

知っておきたいスケルトンリフォームの4つのデメリット

新築同様の仕上がりや間取り変更、耐震補強や配管・配線のリフォームなど多くのめっりがあるスケルトンですが、新築や建て替え、部分リフォームと比べるとデメリットになることもあります。スケルトンリフォームを検討するにあたり、デメリットな部分もきちんと確認しておきましょう。

1.地盤全体の改良まではできない

建物自体の耐震補強は行えますが、すでに建物が建っているため地盤の改良まではできません。耐震・耐久面は住まいの核となる部分です。リフォームでは地盤から見直しは出来ないため、地盤に不安があるのであれば地盤改良を行い、新築や建て替えを行った方が良いです。いくら丈夫な家にリフォームしても、それを支える地盤が弱ければ、意味がありません。その上に建つ家が揺れたり歪んだり、地盤沈下や液状化してしまうと大変危険です。

2. 工期が長くなる

部分的なリフォームに比べると、スケルトンリフォームは圧倒的に工期が長くなります。住宅の規模にもよりますが、戸建て内部のスケルトンリフォームのみで約3カ月ほど、外壁も解体する場合は4~5カ月が必要です。マンションでも最低2カ月以上はかかります。

3. 仮住まいを準備する必要がある

現在住んでいる住居をスケルトンリフォームする場合、工事期間中は住み続けることができないので、仮住まいや家財の保管場所を準備しなければなりません。当然仮住まいへの引っ越し費用や家賃が発生し、金銭面の負担が大きくなります。

4. 解体しないと躯体の状態がわからない

住宅の状況はメンテナンスや環境によって、劣化する箇所も状態も変わります。壁の一部を壊して現状の躯体の状況を確認することもできますが、すべての躯体が同じ状況とは限りません。雨漏れなどがあった場合、予想よりも劣化が激しいケースもあります。そのため、見積よりも費用がかさむ可能性があります

 

スケルトンリフォームの費用相場

Cost Planningスケルトンリフォームは一般的な部分リフォームよりも規模が大きいので、施工にはそれなりの費用が必要です。具体的な費用は住宅の規模や仕様、リフォームの内容などによって異なりますが、新築と比較すると、おおよそ60~80%のコストで実現可能です。 部分リフォームと違い、スケルトンリフォームは解体・撤去費、下地工事費、給排水・配管工事費などに大きく費用がかかります。また、柱や梁などの躯体部分に腐食や損傷などが見つかった場合は、修復作業が追加され、費用も加算されます。そして忘れてはならないのが、前述したように、仮住まいにかかる費用です。引っ越し代や仮住まいの家賃、家財のためのレンタル倉庫代なども予算に入れておきましょう。

スケルトンリフォームの4つの注意点

間取り変更や耐震補強など新築同様の住まいが期待できるスケルトンリフォームですが、注意しなければいけない点もあります。自由度の高いスケルトンリフォームは躯体に関係しているリフォームを行うこともあるため、リフォームの難易度は高いということ。適切なリフォームを行うためにも、注意点をきちんと確認しておきましょう。

 

1. スケルトンリフォームが行えない構造がある

スケルトンリフォームは、柱や梁で家を支えている構造の住宅で最大の効果を発揮するリフォームです。例えば、壁工法の代表であるツーバイフォー住宅の場合、柱や梁ではなく壁そのものが構造を支えているので、構造壁を撤去する事ができません。もちろん、構造壁以外を取り除くことはできますが、柱や梁で家を支えているコンクリート住宅のラーメン構造に比べるとその自由度は異なります。特にリフォーム前提で中古住宅を購入する場合は、どんな工法で建てられた住宅なのか事前にしっかり確認しておく事が大切です。鉄骨造もリフォームが行いやすい構造体ですが、ハウスメーカー独自の工法で建てられた鉄骨造はリフォームが難しかったり。どの構造にも言えることですが、その構造に精通していないと適切なスケルトンリフォームは行うことができません

 

2.マンションのスケルトンリフォームは制限される場合がある

マンションのリフォームの場合は専有部分のみが可能となるので、共有部分にあたるバルコニーや玄関ドアのリフォームはできません。また、管理規約等でリフォームが制限されている場合があります。マンションによっては、業者を指定していたり床材として使用する素材を限定していたりする場合もあるので、スケルトンリフォームを考える際は、まず、どんなリフォームが行えるのかマンションの管理規約を確認しましょう。リフォームありきでマンションを購入される際も、必ず行えるリフォーム事項を確認してください。もし、管理規約を見ても良く分からない場合は、リフォーム会社に確認してもらうと良いでしょう。

3.近隣住人への配慮が必要

スケルトンリフォームは大規模な解体作業により、長期に渡って騒音が発生します。また、足場の設置や廃材の搬出、設備の搬入時などには、家の前に車が滞在することになり、道路を塞いでしまう時間も出てきます。もちろん、リフォーム会社が工期や内容に関して近隣挨拶を行いますが、トラブルを回避するためにも、工事着手前に近隣の住人の方々にオーナー自らあいさつしておくことが望ましいでしょう。リフォームが完成すれば長年にわたって居住することになるので、近隣の方々と良好な関係を構築するためにも、周囲への配慮を心がけましょう。

4.スケルトンリフォームの経験が豊富なリフォーム会社を選ぶ

スケルトンリフォームは、既存の建物の状態を見極め適切な補修ができる技術力や、豊富な施工経験が必要となるリフォームです。また間取りを一から決めるため、依頼主の希望を最大限に叶えるデザイン力も必要です。そのため、リフォーム会社の力量によって違いが出やすいリフォームと言えます。A社では叶えられなかった要望が、B社では可能などもよくある事例です。
また、リフォームが完了したら終わりではありません。その後、住まいに何年、何十年と住み続けることになります。完了後のアフターメンテナンスがしっかりしている会社なら、安心して工事を任せられるでしょう。リフォーム会社にはそれぞれ得意とする分野があるので、これらを考慮して、スケルトンリフォームに必要な分野の専門性が高く、技術力に優れている会社を選ぶことが大切です。

 

【まとめ】自由度の高いスケルトンリフォームで快適な住まいに!

骨格だけを残して改修するスケルトンリフォームは、間取りや住宅の機能性を変更できる自由度の高さが一番の魅力です。中古住宅を購入して自分好みに仕上げたい方や、今の住宅をライフステージに合わせて改装したい方はスケルトンリフォームの検討をおすすめします。
その際は、スケルトンリフォームの知識と経験が豊富で、設計士・インテリアコーディネーター・施工管理士が在籍していて信頼できるリフォーム会社を選び、自分好みの家づくりを成功させましょう。

スケルトンリフォーム事例

クラフトスピリッツが手掛けたスケルトンリフォームの事例紹介です。

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